信のがんを蘭が知る
康太(三浦翔平)が蘭(水野美紀)の足が動くことを暴露し、信(大谷亮平)は激しく動揺します。蘭は「そんなわけないでしょう!?私のこと信じてくれるでしょう!?夫婦だもんね!」と認めませんが、その時信が吐血してしまいます。
信は病院に運ばれ、「あんた何か知ってるんでしょう!?」と問い詰める欄に、光(倉科カナ)は信が末期ガンであることを告げます。蘭は取り乱し「私がついてるからね!?」と信の手を握りますが、信がうわごとでつぶやいたのは「光…」。
通り魔事件は蘭の自作自演
光と康太が少し病室から出ている間に、蘭は秀子(秋元才加)の協力のもと、信を連れ出します。気づいて光が止めに入ると、信が目を覚まし「蘭さん、俺に隠していることがあるなら教えて欲しい」と問い詰めます。蘭は杖を投げ捨て、足に付けていたサポーターを引き離し、走り出します。「あなたを愛しているからよ!あなたのことが好きで、あなたを手に入れたくて…!」
蘭は信とは小学生の頃からの幼なじみで、その頃からずっと好きで何度も告白して、何度もふられてきました。ある時信は「彼女ができた。今までとは何か違うんだ」とうれしそうに蘭に光のことを報告しました。
どんな手を使ってでも信を奪いたいと考えた蘭は、通り魔事件を自作自演で画策しました。通り魔から身を守って足を刺され、それによって自分の足が動かなくなれば、信が責任を感じて自分の元に来てくれると考えたのです。実行犯は蘭がお金を渡していたあの男。高校からの知り合いで、その男は蘭のことが好きだったので「何でもする」と言ってきたのです。
蘭の妊娠は嘘
「妊娠は?それも嘘?」と信が聞くと、蘭は妊娠は嘘だと認めました。康太は「こんなにもあなたのことを愛した人を捨てていいんですか?最低なことまでしてあなたを愛した人ですよ?」と詰め寄ります。
光は「あな時、あなたがそんな嘘をつかなかったら、私は信さんと別れなくて済んだのかな?そしたら信さんと結婚して、子供ができて、ずっと一緒に居られたのかな?そうなりたかった。私はずっと信さん愛してる!」と言います。信は立ち上がり、光は信が自分の気持ちに応えるものと思い微笑みます。しかし信は光を通り越して、蘭に「行こう」と声をかけ、蘭の手を取り歩き出しました。
康太は「俺がいるから。またやり直そう」と光を慰めますが、光は「康太とやり直すことはできない。私はずっと信さんを愛してる」と断りました。
落ち込んで家に帰った康太。また家に来ていた礼香(ダレノガレ明美)が、「私はずっと康太さんのことが好きです」と一途な思いをぶつけます。康太の母(榊原郁恵)が出てきて、「康太が光さんのことを愛しているように、私だって母親として康太のこと愛してる。だけど自分の気持ちを理解してもらえなくて苦しい。礼香ちゃんだって同じよ。
自分の愛が伝わらなくて苦しんでいるのはあなただけじゃない。みんな同じよ」と諭します。
信が康太に託す
蘭と一緒に家に帰ってきた信。しかし蘭とやり直すつもりはありませんでした。「これは2人きりの時に言いたかったんだ。蘭さん、今までありがとう。でも俺は、光と生きていきたい」取り乱した蘭はハサミを取り出し、自分の髪をザクザクと切ります。それでも「ごめん」と言って出ていく信に「苦しんで死ねばいいのよ~!あの女も絶対不幸になるわ~!」と泣き叫ぶのでした。
信は康太を呼び出し「俺を殴ってくれ」と言います。しかし信は病人。「殴れるわけねーだろ」と断る康太に、信は自分で机に頭を打ち付けます。「俺のせいで君が感じた痛みは、こんなもんじゃないだろう」
そして信は「明日の12時、待っていると光に伝えてほしい」と頼みます。なぜ自分の口で伝えないのか?自分の命はあと3ヶ月。それでも光といたいと願っている。しかしそれが光にとっての幸せかどうかわからない。だから康太に託したいのだと告げます。
康太が信と光の味方に!
康太は光に電話をします。「俺、やっぱり光といたいんだ。場所はメールする。来なかったら、死ぬから」と言って電話を切ります。慌てて光は康太のもとに走ります。
しかし、実はここは信が指定した待ち合わせ場所。康太は光と信を引き合わせてくれたのです。「ただ会わせるだけじゃ、俺もしんどいじゃん。まだ光のこと好きだから。だから、ギリギリまで俺の事考えてくれないかなって。行きな?」康太は光を目の前の境界に入るように促します。
光は教会の中に入り、信と再会。2人は抱き合いキスをします。
ようやく光のことを諦めた康太ですが、そこに蘭が現れます。「まだ諦めるの早いんじゃないの!?」
康太は「誰も幸せになれないより、幸せになれる人だけでも幸せになってもらいましょうよ。本気で愛した人だからこそ。俺の精一杯の強がりです」そう言って康太は、光との婚約届けをビリビリに破ります。
光の母親(キムラ緑子)に挨拶に行った信と光。そこへ郵便物が届きます。開けてみると蘭から気味の悪いわら人形が届いていました。蘭はまだあきらめていないようです。
光の妊娠と信の死
信と光は田舎の家で2人で暮らし始めました。光は在宅で仕事をし、信との幸せな日々を過ごします。
ある日、光から「信さんに報告がある」と言って、妊娠したことを伝えます。外に絵を描きに出た信。光が隣に来ると、「名前を考えた。“春“。男でも女でも」と言い、光も「いい名前だね」と気に入ります。
そして信はそのまま息を引き取りました。
女の闘い、再び!?
1年後。
信は1年後に会社に手紙が届くように指定していました。中に入っている1通は、康太宛でした。
「康太くんがこの手紙を読む頃には、俺はもうこの世にない。康太君にお願いがある。どうか、光のことを応援してやって欲しい」そう書かれていました。
康太は光に出産祝いを届けに行きます。しかしそれは良き友人として。
光「自分が奪ってでも誰かを欲しがるような女だと思ってなかった。人を傷つけ、愛している人を奪いたいと思うなんて。私は一生それを背負って歩いていく」
康太「俺は奪いたいほど光を愛してるって思ってたけど、それは愛なんかじゃなかった。全力で人を愛することを教えてくれて、ありがとう」
信が亡くなってからちょうど1年目の日。
また季節はずれの雪が降ります。
すると蘭が突然光の前に現れます。蘭のお腹は大きくなっていました。「私もできたの、信さんの子」
蘭は凍結していた信の精子で体外受精にやっと成功したのです。
「これからもよろしくね…」不敵なら悩みに怯える光…と思われましたが、光もまた怪しく微笑み「こちらこそ、よろしく」とニヤッと笑うのでした。