河童ばっかり!
セシル達景凡社の女子社員と合コンに出た悦子だったが、折原幸人に会って以来、他の男には興味が持てず、車の話で自慢しようとした男も言い負かしてしまう。
悦子にはどの男も河童にしか見えなくなっていた。
その頃幸人は、森尾のマンションに移ってきていた。
森尾の寝室には絶対に入らないように言われ、鶴の恩返しのようだという幸人に立場は逆だという森尾。
幸人は「恩返しします」と返す。
リニアモーター牛?
悦子は新たな仕事は、是永是之の原稿の校閲だった。
是永の作品には”リニアモーター牛”等意味不明の言葉が多く、悦子は頭を抱えていた。
担当編集者の貝塚の所へ行き是永のことを尋ねると、是永は高校生の時に史上最年少で文芸新人賞を受賞した文学界期待のホープだったと知らされる。
ただ顔を出すのを嫌い授賞式やマスコミに出なかった為だんだんと忘れ去られ今に至っているが、文学的センスはあるので必ず再浮上すると貝塚は評価する。
是永是之の正体
Lassy編集部では森尾が幸人を編集長・副編集長に会わせる。
編集長の評価はよく、来月のLassy主催のコレクションに実質的なオーディションとして出る様指示する。
森尾のマンションに戻ると、幸人は悦子の校閲した是永の原稿を読んでいる。
実は「是永是之」の正体は幸人だった。
悦子の描いた”リニアモーター牛”のイラストに幸人は大笑いする。
主婦ブロガー亜希の初出版
次に悦子は、人気の主婦ブロガー小森谷亜希の初出版本の再校閲に取り掛かる。
亜希は全くの素人の為、初校では誤字・脱字が多かったという。
記事内容を一つづつ検証していく悦子。
悦子は衣食住の内「衣」にのみお金をかけるので日常は節約ばかりだが、それでも知らなかった亜希の節約アイディアに共感していると、森尾には「楽しそうですね」と言われてしまう。
亜希の原稿に自分の持つ節約アイディアまで付箋でつけて渡したため、亜希は悦子に会いたいと言ってくる。
担当の貝塚がこんな本が売れるものかと馬鹿にするため、悦子は「絶対に売れる。自分が売れるようにする。」とまで言ってしまう。
亜希の家
貝塚と悦子は亜希の家を訪ねる。
悦子のアイディアに共感した亜希は、悦子のアイディアを記事として追加したいと言い出す。
締め切りに間に合わなくなるからと断る貝塚に、悦子は自分が最後まで付き合うから黙ってろと言い切る。
森尾のマンションでは、電話で話す森尾を「彼氏か?」と幸人は疑う。
悦子が編集者気取りだと茸原に愚痴る貝塚だったが、茸原は節約ネタの方に興味を持っている様子。
悦子は”ダンボール映画館”の作り方を教えるためあれこれ用意して亜希の家を再訪する。
人形のドレスが破けて亜希の直し方が気に入らない娘のめいの為に、悦子は持ってきた雑貨でドレスをアレンジし、めいの機嫌を直す。
藤岩の怒り
亜希が本のあとがきに悦子の名前を入れたいと言ってきて悦子は喜ぶが、貝塚から何度も変更したり追加することで見積金額と変わり料金が増えていることを知らされる。
沢山売って元を取ればよいと浮かれている悦子に藤岩は校閲の立場を超えている・内容に口出しすべきではないと苦言を呈するが、悦子は「妬いているのか」と軽く言ってしまう。
悦子の言葉に藤岩は怒り、普段は見せない姿に皆一様に驚く。
反省しろと貝塚に言われるが悦子は「校閲は何故そんなに引かなければいけないのか」と納得できない。
ありえない大失敗
亜希の家計簿の作り方に共感した悦子は付録で付けることを提案しサブタイトルまで決めてくる。
勝手に決めてきた悦子に貝塚はまたも否定するが、何故頭ごなしに否定するのかと悦子は反発する。
見本が刷り上がりやっと印刷にまわしてホッとするが、後日完成した本の表紙に大きな問題が発覚する。
悦子の決めたサブタイトルの”POCKET”の文字に”C”の字が抜けていたのだった。
悦子はチェックしたはずなのに見落としたことにショックを隠せない。
発売日には複数の作家達との合同イベントがあり、刷り直している時間は無いため表紙に訂正シールを張って対応することになる。
5000部の本に一枚づつシールを張る作業は校閲部だけで行うことになるが藤岩は実家の法事の為休暇を取っていた。
貝塚と茸原は亜希に謝罪に行くが亜希は本を見つめて涙する。
印刷所に向かった米岡と悦子だが積み上げられた段ボールを前に暗い気持ちになる。
悦子と米岡で必死に作業するが先が見えないでいるところへ校閲部の部員達が駆け付け、休暇中だった藤岩までやってくる。
全員で必死に作業を続ける中、印刷会社の正宗が差し入れを持ってきて元気づける。
皆が休憩を取る間も、一人作業を続ける悦子だが、部員は其々に自分がミスした経験を語り始める。
そんな経験はないだろうと誰もが思っていた藤岩まで過去に大きなミスをして作家を怒らせてしまい、以来その作家は景凡社では書いていないと言う。
校閲担当者の名前が表に出ることはめったにないが、個人のミスは校閲部全体のミスであり、ひいては出版社の評価を左右する重大なミスになるのだという藤岩の言葉に悦子は大いに反省するのだった。
朝までかかりやっとのことで作業を終え無事に本を出荷する。
印刷所から悦子が下宿へ戻ると、店のカウンターで店長が寝ていた。
悦子を待っていたのだった。
常連客も心配して待っていたことを聞いて謝り、校閲部のみんなのことを思い違いしていたと語った。
幸人のウォーキング練習
森尾のマンションでは、森尾が幸人にウォーキングを教えていた。
ロボットの様にしか歩けない幸人に、森尾は見本を見せる。
森尾は大学生の頃に読者モデルの経験があり、コレクションにも出たことがあった。
何故モデルを続けなかったのかという幸人に、森尾は素質もやる気もなく、編集者になる気も無かったと語る。
発売イベント
亜希の発売イベント当日、仕事が手に付かない悦子を茸原は会場へ行かせる。
亜希に挨拶してくるという悦子を貝塚はこれから登壇だから後にしろと止め、シールで訂正することを説明に行った際、亜希が涙をこぼしたことを話す。
会場で亜希の本の購入者たちが表紙のシールに気づき不満を口にするのを聞いた悦子は、亜希が挨拶するまえに飛び出し、シールを張ることになった経緯を亜希と購入者に詫び頭を下げる。
それを見ていた亜希も購入者に謝罪するが同時に悦子への感謝を述べ、本が仕上がった時には感激で涙したと語る。
本の刷り直しには莫大なお金がかかり、普段1円をケチる自分には訂正シールがお似合いではないかと笑いを誘い、温かい拍手につつまれる。
あとがきに名前を入れなくてかえって良かっただろうという貝塚に悦子は、入れるなら「Lassy編集部河野悦子」で入れたいと言う。
校閲部へ戻った悦子は部員一人一人に謝罪と感謝を述べる。
幸人との再会
是永の初校が悦子宛てのメッセージとイラスト付きで戻ってくる。
そこには「文字を通して心があなたとつながった気がする」とあったが、悦子の校閲の指摘はほとんど直っていなかった。
悦子は仕事を終え、幸人と出会ったスポーツセンターに立ち寄ったがドアの前で小銭を拾う幸人を扉ではね飛ばしてしまう。
お相子だと笑う幸人。
公園のベンチで近くの出版社勤務だと言うと、幸人は景凡社や校閲のことをよく知っていた。
悦子の話から幸人は自分の原稿を校閲したのが悦子だと気付くが自分が是永是之であることは話さない。
幸人はLassyのコレクションに出ることを伝え招待状を渡す。
上機嫌で帰宅した悦子だが、迎えた常連客から”彼氏でも出来たかと・・”と言われさらに浮かれ皆衝撃を受ける。